top

町おこしのために放射性廃棄物の
最終処分場の誘致に乗り出す3人の男達
互いを支える固い結束が
3人を追い詰める狂気に変わる――

「日本の劇」戯曲賞 2016年最優秀賞
「第25回 OMS戯曲賞」大賞受賞作

作=くるみざわしん 演出=東 憲司

精神科医で劇作家のくるみざわしん
劇作・演出家で数々の演劇賞を受賞している東憲司
異才を放つ二人の出会いが新たな演劇シーンをつくる!

谷あいの町の小さな町。ここで同じ年に生まれた田切、谷上、中本は同郷同年だ。3人は放射能廃棄物処分場の誘致を企て、住民投票にこぎつける。実家の農業を継いでいる田切、地元で家業の薬局を経営する谷上、電力会社に勤める中本。町では処理場誘致反対派が大多数を占めるなか、3人は町の再建をかけて処理場誘致の是非を問う住民投票で誘致のために画策するが結果は惨敗。希望を失った田切は農業を捨てて電力会社への就職を決意する。ところが田切は電力会社でめきめきと頭角を現し、他府県の処理場誘致に成功する。谷上は田切と組み、薬局の新設と町への病院誘致を画策するが、電力会社社員の中本は、処理場の事故をきっかけに処理場誘致に疑問を持ち、退社を決意する。野心に燃え、再び町に処理場誘致を目指す田切と谷上、誘致を止めさせようと画策する中本。見えない大きな力に翻弄され、3人は激しく争う。互いを支えていた同郷同年の強い絆は三人を縛る呪縛に変わってゆく。選挙に出て政治家としてのし上がろうとする田切を、中本は電力会社に密告して立候補を阻止しようとするが、逆に田切に知られて手ひどい制裁を受ける。絶望した中本は同郷同年の絆を切り、残された田切と谷上は町おこしに成功するが――。

schedule

チケット料金(税込・全席指定)
前売一般 4,000円 当日一般 4,500円
学生・U25席(前売・当日共)3,000円
※学生・U25は要証明書提示

前売・予約開始
 8月10日(木)〜

チケット取り扱い
チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2320161
[Pコード 520-002]

カンフェティ
http://confetti-web.com/doukyodounen2023

イープラス e+
https://eplus.jp/sf/detail/3883760001

ザムザ阿佐谷

東京都杉並区阿佐谷北2-12-21 ラピュタビルB1
※阿佐ヶ谷駅北口より徒歩3分。TOAフィットネスクラブ裏手

ご予約・お問い合わせ
Myrtle Arts(マートルアーツ)
Tel.03‐6279‐9688   Fax.03‐6279‐9689
Mail  arts@myrtle.co.jp

美術 : 袴田長武 照明 : 泉次雄(ライズ)

音響 : 大貫誉 田中忍(エスイーシステム)

衣装 : 佐々波雅子 / 優花製作 舞台監督 : 伊藤清一

宣伝美術 : 画・梶村ともみ / デザイン・福田真一

制作 : 秋元けい子 / 三浦伸子

主催 : 一般社団法人MyrtleArts(マートルアーツ)

message

電力会社に就職していたかもしれない。山あいの谷の村に生まれ、大学進学のために都会に出た人間が故郷と離れないで就職を願えば、電力会社はファーストチョイス。収入は安定しているし、顔も立つ。ところが1986年のチェルノブイリ原発事故の後、大学生協の書店に平積みされた原発関連の本を手に取り、原子力産業のデタラメを知ってしまった。進路に迷い、元気のない私を見かねた同郷の先輩が食事に招いてくれた。先輩は私より一世代上で、電力会社に就職し、社宅に住んでいる。手料理を並べ、オール電化の利便性を語る先輩に私は「電気を原子力で作っていいのか」と言ってしまった。先輩の手は止まった。殴られると思ったが、先輩は殴らなかった。目の前の手料理が悲しかった。 工学部から医学部に移って医師になり、あの夜のことを忘れていた私を2011年3月の東電福島原発事故が飲み込んだ。自分だけ原子力産業から逃げて良しとしていた愚かさにうなされた。あれから12年。国も電力会社も責任を認めない。まだ原発は動いている。その絶望を切り出したくてこの芝居を書いた。どこにもないように思うかもしれないが、光はある。観に来て欲しい。

くるみざわしん

staff

くるみざわしん

劇作家・精神科医
北区つかこうへい劇団戯曲作法塾・伊丹想流私塾を経て2007年に『うどん屋』でテアトロ新人戯曲賞佳作を受賞。劇団「光の領地」を旗揚げし、2008年に『うどん屋』を大阪で上演する。関西を中心に上演活動を続けていたが、2011年の震災・原発事故以後、活動地域を広げ、2014年に愛知県芸術劇場主催の『文豪コネクション』に参加し、夏目漱石の「坊ちゃん」を題材に舞台作品『漱石狂言・坊っちゃん』を作製し、名古屋市・伊丹市・明石市で上演。2015年には同作を長野県中川村、松本市。2017年には高松市で上演し、旅公演のスタイルを模索し、現在も新作の上演を各地で試みている。
他の劇団との共同制作にも積極的に取り組み、エイチエムピーシアターカンパニー、虚空旅団、モンゴルスシアターカンパニー、大阪女優の会、トレンブルシアター、劇団太陽族、劇団コーロなどと作品を作っている。エイチエムピーシアターカンパニーとの共同制作では、「同時代の演劇」というシリーズで海外戯曲の上演を、「日本演劇のルーツを探る」といシリーズで歌舞伎作品の上演に取り組み、2018年に「忠臣蔵」の改作脚本『忠臣蔵 破 エートス/死』で文化庁芸術祭賞新人賞。2021年からは「シェイクスピアシリーズ」を開始し、同年11月に『マクベス 釜と剣』を上演。同作は文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞している。
2021年からマートルアーツと共同制作を開始し、同年11月に『あの少女の隣に』、2022年8月に『ひとつオノレのツルハシで』を上演。いずれも高い評価を得る。『あの少女の隣に』は各地で再演を繰り返している。
受賞歴等として、2014年『蛇には、蛇を』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。2015年『ひなの砦』がOMS戯曲賞佳作。2016年『同郷同年』が日本の劇戯曲賞。2017年『精神病院つばき荘』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。2018年『同郷同年』がOMS戯曲賞大賞受賞。2022年『犬のペスト』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。
詩人としても作品を発表しており、伊藤静雄賞佳作、部落解放文学賞等を受賞している。

演出 東 憲司 ひがし・けんじ

1964年12月17日生まれ 福岡県出身。
劇作・演出・美術家、 劇団桟敷童子代表。
(劇団作品ペンネーム:サジキドウジ)
凝った舞台美術と社会の底辺で生きる人々を描いた骨太で猥雑な群像劇が特徴。自らの生まれ育った炭鉱町や山間の集落をモチーフにしたパワー溢れる舞台により、日本の演劇シーンの中で異才を放っている。 外部作品も積極的に手がけ、2012年度に紀伊國屋演劇賞・個人賞、読売演劇大賞優秀演出家賞、鶴屋南北戯曲賞をトリプル受賞。また初めて手がけたTV脚本「めんたいぴりり」は第30回ATP賞、第51回ギャラクシー賞奨励賞、平成26年日本民間放送連盟賞・テレビドラマ番組部門優秀賞・第41回博多町人文化勲章を受章し、福岡県のみの放送だったにも関わらず、後に全国で放送された。
◆第54回(2019年度)紀伊國屋演劇賞・団体賞を受賞。
◆第25回(2017年度)、第29回(2021年度)読売演劇大賞・優秀スタッフ賞を受賞。

劇団桟敷童子 https://www.sajikidouji.com

cast

川口 龍 かわぐち・りゅう

福島県出身。舞台俳優。2011年から2018年までオフィス3○○公演に参加。以後『精神病院つばき荘』(作・くるみざわしん/2018〜地方公演中)への出演を機に『おはなし、お父さん』(作・くるみざわしん)、一人芝居『あの少女の隣に』(作・演出くるみざわしん/2021〜地方公演中)と、くるみざわ作品に参加を続けている。他近年の作品に『Kappa』(演出・鈴木勝秀)、2022年『ひとつオノレのツルハシで』(作・くるみざわしん/演出・鈴木裕美)などがある。

根本大介 ねもと・だいすけ

千葉県出身。舞台芸術学院演劇部本科卒業後、舞台を中心に俳優として活動している。主な舞台に『十二夜』(ワタナベエンタープライズ・演出・青木剛)、『贋作幕末太陽傳』『鴨川ホルモー』(共に作・演出・鄭義信)、『誕生の日』(ONEOR8・作・演出・田村孝裕)、『インザマッド』(範宙遊泳・作・演・山本卓卓)など。

玉置祐也 たまき・ゆうや

愛媛県出身。演劇集団円所属。劇団公演のほか舞台を中心に活躍中。主な舞台に、『初萩ノ花』(作・演出・内藤裕子)『透明な血』(作・演出・東憲司)、『アインシュタインの休日』(作・演出: 吉田小夏)『ピローマン』(演出・寺十吾)、『ペリクリーズ』(演出・中屋敷法仁)、『隣人予報』(演出・松本祐子)、2023年7月『犬と独裁者』(作・演出・鈴木アツト/劇団印象)など演劇集団円公演や客演多数。

同郷同年 2023

毎日新聞夕刊に掲載されました。
2023.10.2

同郷同年 2023

朝日新聞に掲載されました。
2023.9.28

同郷同年 2023

ふぇみん婦人民主新聞に掲載されました。
2023.9.25

同郷同年 2023

朝日新聞デジタルに掲載されました。
2023.9.23
朝日新聞デジタル

同郷同年 2023

東京新聞に掲載されました。
2023.9.21

同郷同年 2023

北海道新聞デジタルに掲載されました。
2023.9.20
北海道新聞デジタル

一人芝居
あの少女の隣に

2023.2.4(土)〜5(日)
下高井戸HTスタジオ

2023.2.25(土)
アトリエ銘苅ベース

アンネ・フランク​
なぜあなたが死んで、
私たちが生き残ったの?​

2023.1.14(土)
パティオ池鯉鮒

2023.1.27(金)
藤田記念博物館(藤屋蔵)

2023.2.23(木・祝), 24(金)
アトリエ銘苅ベース

一人芝居
あの少女の隣に

2022.11.23(水・祝)
両国ギャラリーXカイ

トレンブルシアター2022
精神病院つばき荘

2022.10.12(水)〜16(月)
下北沢 シアター711
制作:Myrtle Arts

札幌座・道産子男闘呼倶楽部
5月、忘れ去られた
庭の片隅に花が咲く​

2022.9.22(木)~26(月)
浅草九劇
制作:Myrtle Arts

新作書き下ろし​
ひとつオノレの
ツルハシで​

2022.8.18(木)〜22(月)
ザムザ阿佐ヶ谷

国際ホロコーストデー上演会​
アンネ・フランク​
なぜあなたが死んで、
私たちが生き残ったの?​

2022.2.20(日)
白河文化交流館コミネス 小ホール

一人芝居
あの少女の隣に

2021.11.3(水・祝)―5(金)
西荻シネマ準備室

アンネ・フランク
なぜあなたが死んで、
私たちが生き残ったの?​

2021.7.7(水)―11(日)
アトリエ第Q藝術

SORIFA
みょんふぁ一人芝居​

My Mother

2021.12.22(水)―28(火)
下北沢シアター711
制作協力:Myrtle Arts

トレンブルシアター​
空谷の跫音​

2021.10.23(土)―24(日)
神楽坂セッションハウス
制作協力:Myrtle Arts

準備中
優れた脚本・演劇作品であっても商業ベースでは上演が難しい。そのような作品の上演を実現し、オリジナル性の高い演劇作品として東京以外の日本国内や日本国外での上演も視野に入れて展開したいという意図で立ち上げたプロデュース団体。私たちは、忘れてはいけない社会問題を題材とし、声なき声を掬い上げて描く作品を大切にしたい。私達が考える優れた演劇作品とは、戯曲の構造が人間の創造性を刺激し、圧倒的熱量を持っている作品です。その脚本を演劇的な手法で舞台表現に練り上げ、演劇としての力を発揮し、多くの観客を獲得し、演劇のすばらしさを広く知らせ、世界に一石を投じたい。演劇で社会と繋がり、未来を作るきっかけをつくっていく役割の一端を担いたいと考えています。
上部へスクロール