■マートル舎関連の新聞、雑誌掲載記事などを紹介します。
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朝日新聞2009/05/10 読書欄 4頁目「視線」にて紹介! |
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少女からの手紙 宇野亜喜良著 |
俗に言う、左利きの人のほうがひらめきや芸術方面の才能に長(た)けている、という説にはじつは根拠がないらしいが、<宇野亜喜良>と<左利き>とはあまりにしっくりと似合っていて、それを知ったとき私はなんだか嬉(うれ)しかった。
宇野氏の絵との出会いは、小学校に上がる頃。ジェームズ・サーバー作の、『たくさんのお月さま』という本の挿絵を通してだった。
児童書の挿絵にありがちな子どもへの媚(こ)びが、その絵には一切なかった。あまりに大人びたお姫さまの顔つき、こちらを突き放すかのような孤独なまなざしに、少女だった私はむしろうっとりと引きこまれた。言葉にこそできなくても、当時の私は宇野氏の絵から、エロスというものの本質を嗅(か)ぎ取っていた気がする。
そうして四十年が過ぎ──新しく出たこの小さな画集を手にして驚愕(きょうがく)した。何たることか、宇野氏の絵は、枯れるどころかますます艶(つや)を増しているのだった。どの絵も今年に入って描き下ろされたものだ。失礼を承知で言わせてもらえば、七十代も半ばのオジサマの描く少女が、こんなに色っぽくてどうするんだ! と手足をばたつかせて叫びたい感じである。
一ページごとに、少女から届いた絵葉書(えはがき)という体裁をとっているので、一冊眺め終わると本当に彼女たちからもらった手紙の束を手にしているような気持ちにさせられる。どの少女も無垢(むく)で、いたいけで、それでいて腹に一物隠している気配がする。その、仄昏(ほのぐら)い秘密の気配がまた、<おんな>の萌芽(ほうが)を感じさせてたまらないのだ。
世紀のロマンチストが左手で描いた少女たち、清(すが)しくも上品なエロスに充(み)ち満ちて、圧巻である。 |
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村山 由佳(作家)(5月10日掲載 朝日新聞より) |
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産経新聞2009/05/09 読書欄にて紹介! |
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 少女からの手紙 宇野亜喜良著 |
宇野氏が可愛らしい少女と文通しており、その少女からの手紙を一冊の本にまとめたとのウワサを聞きつけ、早速この本を拝見しました。私は勝手に2人の微笑ましいやり取りを想像していましたが、これが全くの見当違い。少女がつづる文章からは、無邪気さを感じる一方で哀愁も漂い、大人の女性が持つ悲しみすらにじみ出ていました。どうやらこの少女は、宇野氏の中にいるもう一人の自分らしいと聞いた時はほっとしましたが、今度はこの妖艶な少女が心の中に住むという宇野氏本人が気になり始めました。私ももう一人の自分と文通を始めてみたら、見知らぬ自分と出会える気がして、少しどきどきしています。
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(ジュンク堂書店天満橋店 照井優希) (5月9日掲載 産経新聞より) |
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*宇野亜喜良さんの作品やinterviewも掲載されています。 |
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